『Summer Pockets REFLECTION BLUE』の感想です。
主に無印から追加部分の雑感。
無印の感想はこちらに。 例によって
エロゲブランドなので適当に
エロゲカテゴリに入れているが、keyはもう成人向け作るのだろうか……? そろそろノベルゲーなどのカテゴリに分けた方が良さそう。
以下ネタバレ込みで。
# 既存追加
ちょいちょいイベントが追加されていたり、CG、曲が追加されている。
元々キスしているCGの無かったしろは、紬にはそのCGが追加されており、恋愛している感が増した。
カモメは焚き火のCG、かわいいぞー! 蒼だけはCGに関してバランスが良かったのか追加は無し。
グランド周りにも追加があるが後述。
# 識
自分の弱さが原因で、津波で亡くなる人々を救うため、未来で強さを手に入れて過去に殉じる少女の話。
愛するべき島民のために鬼、偽悪になることを決意した識。
子供達との鬼ごっこで手に入れた「うきょきょ~」という奇声を、おどろおどろしいCGが映されるシーンで叫んでいるのが全て。
可愛らしい少女が鬼という物を目指した滑稽さ。
大切な島民を守りたいからと、島民から恨まれる矛盾。
弱かったから救えなかったと、逃避した先である未来での思い出の象徴。
一歩間違えればシリアスを壊すようなセリフなのだが、これらが重なってとても"らしい"シーンに仕上がっている。好き。
他にも奇声、鳴き声の類に飽きない少女であり、天真爛漫なその姿はとても魅力的に映った。
それとは別に、非常に強い存在に成れたと思う。
主人公が悩む「島民に嫌われ、それが歴史に残る」問題も表に出す段階では既に乗り越えており「だから?」と先を行く。
お別れの決意も先に済ませており、主人公のさよならを待ち続ける。
冒頭の彼女にどれほどの強さがあったのかはわからないが、死ぬと決めていた覚悟に他は些事だろう。
余談。
恋愛対象にあるヒロインの中で唯一キスCGが存在しない。
また、同上条件のキャラが別離→再会の形式を取っているにもかかわらず、個人的に識は再会が期待できないラインに留まっていると思う。
恐らく後述の役割のおかげで、こうした特別扱いなポジションを狙った物だと嬉しい。
# 美希
恋愛描写はしっかりされているし、クライマックスも相応に感動出来るのだが、如何せん進行が退屈。
恋愛関係になったからといって、新しい一面が魅力的に出て来るかと言えばそうでもなく、追加ルートとしては弱い。のみき目当てにRB買うのも厳しいかと。
追加ルートに共通して言えるのだが、既存キャラに爆弾を背負わされたり、島の歴史に悲しい物が増えたりするが、その辺りは割り切り審議しない。
また恋愛描写に、サマポケの売りである夏休み感は追加ルート全てでしっかり描写されており、その辺りはのみきも含めて満足。
# 静久
とんでもおっぱいさんメインヒロイン昇格だってよ、からのなぜ"おっぱい"なのかという説得力に、一部の人間しか認識出来なかったその言動を受け入れられるようになっていったのは感無量。
そもそも追加された出会いのシーンが好き。
「本当に縁があればもう一度会えるから、その時に自己紹介をしませんか?」
は中々出て来ないセリフ回し。そして次会っても名乗らねえぇ!もどかしい!
問題の要をオカルトに落ち着かせるのではなく、科学的な物だと静久は解釈した上で、母親と彼女らしく、親子らしい問題解決を図ろうとしたのはとても良かった。
そしてここで物語を〆て良さそうだろうに、夏休みの終わりを意識しお別れまでしっかりとする。
そのお別れも、ただ一夏のお別れでは無く、共依存を避けるためにお互いの問題を解決し、一人で歩けるようになったら、もう一度出会いたいという、恋人としてのお別れも含む……恋愛ゲームにおける別離シーン堪らねえぇ。
更に評価できる点としては、このクライマックスに分岐がある。
上記のグッドと呼べるEDに対して、この島に辿り着くまでに傷ついて来たと、二人島で羽根を休めるEDが存在する。
今ある問題は確か片付いており、その選択を誰が責められるだろうか。
何故ならグッドの「転んでも立ち上がり、前に進み続ける」思想は、いつか立ち上がれなくなった時を考慮していない。逃げ場所である島を忘れるのだから尚更だ。
この居心地の良い諦観は、夏休みの過ごし方を忘れたわたしにとってはとても沁みた。
そして問題になると思われた紬だが、紬ルートにおける静久のように、静久ルートではもう一人の主人公として活躍。以上、大満足なルートでした。
# 羽未
なんてことの無い子供と、その保護者的立ち位置の主人公の夏休み。
その日々にどのような価値があるかは各々が決めることで。
ギャグが面白かったのと、主人公を慰めるうみに、水泳と真っ向から向き合って問題解決を行ったルートとして十分楽しめました。
# Pocket
個人的に不満だったグランドですが、ラストに追加シーンが存在し改善……かと思えば、かなり微妙なラインに。元よりはこちらの方が好みなのは間違い無い。
展開としては、消えそうになっていたうみの意識が、識に助けられ、救って二人の子供として過ごしているうみの意識と融合するというもの。
めっちゃ救われているのだが、識にそのようなことが出来るのか? という疑問が強く後ろ髪を引く。
そういう家系であったしろはや蒼と違い、出自不明の識は未知であるものの、作中は特に異能を使った様子の無い一般人の範疇。
唯一未来へ神隠し出来た人間ではあるので、生死不明の識ルートラストの彼女が影法師になって、その辺りを扱えるようになっていても不自然では無いのだが、前述したように再会描写が唯一無いので、何故お前が帰って来なかった状態。
他者へしかそういった力を扱えなかったとか、うみの意識を蝶として確保し、未来へそのまま維持する役割を担ったなど色々と想像できるのだが、いずれにせようみの代わりに追加キャラが犠牲になった感が否めない。
識ルートでは他キャラと積極的に絡むが、他キャラで識に絡みに行くことは無く、ALKA以降一切顔を見せなかったヒロインがいきなり出て来るのも戸惑う。
結果好みの範疇に未だ入れていないのだが、これ以上難癖を付けるつもりも無いのでこの話題はこの辺りで。
「ポケットをふくらませて」が新しいバージョンに。switch版らしいですね。
これはかなり切なさが増して良い感じ。曲としてのテンポは元のバージョンが好みだが、どちらも良きかな。
# 総評
もう一度夏休みを楽しめて良かった。
サマポケにポジティブな印象の方が強い人ならば買っても損は無いかと。新規はもちろんこっちで良い。
瞬間風速ではカモメと紬がやはり二強であり、リトバスのように意味のわからない破壊力を一抹でも期待していたが流石に叶うわけもなく。
追加ルートでは既存キャラとの絡みもしっかりやっていたので、既プレイ者も飽きなかったのではないだろうか。相変わらず蒼が全方位に絡んで行けるシリアスもギャグも強い女。
keyさん新作もお願いします。
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