FC2ブログ
TOP雑記 ≫ 【雑記】最果て、開発日誌【自作】

【雑記】最果て、開発日誌【自作】

 この記事は「最果てを目指す」について技術、感情的に振り返る記事です。
 ネタバレ等ありますので、問題無い方のみ続きをお読みください。

 またとても長いです。16000字ほどあります。
 適当に読み飛ばしたり、時間がある時に少しずつ読み進めてください。

 記事で触れられておらず、語って欲しい内容や、質問があればこのブログやTwitter、メールアドレスなんかに気軽に飛ばしておいてください。
 個別に答えるか、また新しい記事にまとめて答えようと思います。






## コンセプト

《寂しくないサバイバルノンフィールドRPG》

 これに尽きます。それぞれ解体しましょう。

・ノンフィールド
 ここ数年、ノンフィールドRPGというジャンルにハマり、以前作ったゲームのマップ制作でえらく苦しんだ記憶もあり、ぜひ次はノンフィールドRPGを作ってみたいと思いました。
 特に片道通行で前進し続ける類似ゲーは以下の物になります。

『ロードライト・フェイス』『いばらのうみ』『雛鳥フェアリーテイル』
『人類滅亡後のPinocchia』『アムネジアヒーロー』『箱舟のノワール』
 また制作後半に『創造の切り札』も触れました。

 それぞれお気に入りのゲームで「最果て」を気に入ってくださった方は是非どうぞと勧められます。
 わたしは彼らの背中を追い走ると決め、作品ごとの特徴に、長所と短所を抽出し「最果て」の制作に取り掛かりました。

・サバイバル
 ノンフィールドRPGは結構無駄な一歩が多くなりがちです。
 これはランダムエンカウントによる必要な一歩だったり、ゲームのテンポを保つための物ですが、更に研ぎ澄ませられないかと思案。
 ローグ系にしては珍しく満腹度の他に、製作や天気、健康度などの現実味の深い要素がある、
 『Cataclysm:Dark Days Ahead』も楽しんでいたため、上手く組み込めないかと挑戦。

 結果、前進効果により一歩一歩進む意味、意義が生まれて良かったと思います。
 意欲や気力、天気なども入れようとしましたが、管理するリソースが多いとわたしもプレイヤーも面倒だと思ったので希望というステータスに一任しました。
 食べ物の腐敗も処理が大変難しかったため、保冷バッグなどは前進時確率で満腹度減少を無効にしています。
 アイテム所持数でまとめて良くない? という重量容量はそのままで。
 割とこの比率をコントロールするのは楽しく、アイテムの価値を左右するのに必要でした。

・寂しくない
 ノンフィールドRPGは基本孤独な旅です。
 というか普通のRPGもよく見ると、固定のイベントが発生するまで仲間キャラが喋らなかったり、ダンジョンは黙々と探索していて孤独です。
 元々気にしてはいないのですがガストの作品や、テイルズオブシリーズではこういった孤独感を和らげる仕様が多く、好印象であると同時に明確な強みだと思ったので、どうにか「最果て」でも実現できないかと模索。
 ボイスの実装が難しい個人製作では戦闘中などは限界があると思いましたが、過去作っていた伺か(デスクトップアクセサリー)で声無しによる文字とイラストの必要な比率は大体掴めていたので、今回それを活かし実現できたと思います。

 寡黙な主人公に、登場人物ほぼ一人のヒロインがひたすら喋り続ける仕様。
 孤独感を癒しつつ、飽きないためにはと様々なイベントでツキの新しい一面が見れたり、所持アイテムやEP、生命力などのリソース事情で細かく分岐し、トークの内容もふんだんに詰め込みました。

 また「寂しくない」は響きが気に行っています。
 「孤独じゃない」「独りじゃない」など複数案がありましたが"寂"という文字が他より柔らかく"み"という音が可愛いので採用。

 こうして「最果て」の基礎は固まりました。
 大分個性出しつつ、やりたいことを明確に出来ていると思います。


## 主人公とヒロイン

・ヒロイン
 仕様上、ヒロインが許容されなければ他の個所が面白くてもゲームそのものが評価されない。
 逆にヒロインが気に入られたのであれば、他の個所がつまらなくてもゲーム自体の評価は上がるだろうと思いました。
 そのため最も注意して作る箇所であり、また多くの人に受け入れてもらうよう設計しようとしました。
 そこで個人的、男女共に受けるであろう万能キャラの理想形、サージュシリーズのイオンちゃんをモデルに意識しています(サージュシリーズは他にも多く参考にした箇所がある)

 ただ最初にして最大の誤算がありました。
 キャラの固まっていない初期段階、セリフや思いついた設定案を書き散らしている中で、遺跡のイベントを初めに書いてしまいました!
 「ロマン厨」「スリル中毒」罠や仕掛けに嬉々とし飛び掛かり、守ってくれる主人公を困らせるツキ。
 ……あれ、万人向けはどこに行ったので???

 書いていて狂うほど楽しかったし、勝手に動きだしたキャラや、生える設定は決して制御しても潰してはならないという信条があるので気分はもう「どうにでもな~れ☆」
 この延長線上で「覚悟決まり過ぎ女子」になってしまいましたが、ツキちゃんの悪評は現状聞いていないのできっと成功したのでしょう……や、やばかった。

 また守られる対象でありながらも、足手まといになる感覚は限りなく薄くなるよう頑張りました。
 なんでも作ってしまうクラフトはもとより、イベント解決もツキが頑張ったり、上がった希望で恩恵を得たり、戦闘アイテムを強力にしてツキが使う物として定めました。
 結果プレイヤーのストレス軽減や、ツキに対する好感度上昇に繋がっていると嬉しいです。

 攻撃アイテムの性能について。
 最速発動、防御無視、必中。
 「最果て」の世界でこの性能はぶっ壊れています。ただこれはヒロイン補正以外で説明できます。

 SPDについてですが、これはツキを完全に守りつつ、主人公が攻撃に転ずることが出来る時間の意味合いが強いです。
 そのため守られているツキは牽制し合ったり、間合いを測っている主人公と敵を無視して自由に動けます(最速発動)
 必中もよく狙える、防御無視はツキ相手に態勢を整えられないなどの意味合いもあります。
 主人公のステータスと違って、敵のDEFや回避率が常に適応されているのも似た解釈です。彼らは守るモノは自分だけで良いのですから。

 Q.え、じゃあ流れ星落とせるのにも理由があるんですか?
 A.知らん。星に訊いてくれ。


・主人公
 感情移入を重視していたので、「」のセリフを取っ払いました。登場人物二人なのになんて無謀な。
 最低限どのような言動をしているかは描写していますが、その行動の意味だとか、発言した詳しいセリフなど全てを描写し切ることは無いように注意しました。
 この描写していない箇所にプレイヤーが入り込む余地があると思ったからです。

 また守る騎士でありながらも、中の人の性別を意識させないよう徹底しています。
 わかりやすいのはツキの女性的な部分を描写しているような箇所でも、それを気にするような文は入れなかったり、気になっても気まずいといった同性相手でも思うような表現に止めています。


・関係性
 かなり褒められた点の一つですね。
 上でほぼ既に語っていると思いますが、付け足すと相棒を目指した、と。
 創造主と被創造物、守る対象と守られる側にはどうしても優劣がつきがちです。
 ただゲーム開始時点、導入からどこぞの機械はバグってます。そしてツキはそれを認めました。

 そのバグが無ければ二人ぼっちの過酷な世界は生き延びられなかったでしょう。
 そして末路も、堪えられたものではなかったでしょう。

 また叱られるのを覚悟で強く言っておきたいですが、主人公とツキの関係性を築くのは、主人公とツキではありません。
 "あなた"とツキです。間違えないでください。
 最低限主人公は自立した言動を行います。けれど旅をしていてあなたはツキを信頼したはずです。
「ツキなら耐えてくれる」そう思い、つらい選択や生命力を削っての前進を行ったはずです。
 ツキはその信頼に答えて、あなたを信頼しました。
「やめろー!」とツキの無謀にツッコミを入れたこともあったでしょう。
 ツキもまた、あなたにツッコミを入れたことは無いですか?「無茶しないで」と。

 もし関係性が良い作品だと思ったら、主人公とツキが頑張ったわけではありません。制作者であるわたしが作り切れる物でもありません。
 あなたとツキが共に旅をした結果、その関係性を尊い物だと感じた。それを忘れないで頂けると嬉しいです。


## ストーリー

 実はあんまり深く考えてません。
「あれの正体なんだったんだろう」と思うような存在に旅をする途中多々あったかと思います。
 そういう時は大概「あれ、なに」とわたしも思っています。

 "砂漠の雪" "ブラックホールのような何か" "洞窟の中の影"

 どれもありそうだとか、あったら面白そうなのを置いておきました。
 意味や真実は決める決めかねる以前に考えてすらいません。これが世界観や雰囲気の評価に繋がっているようです……ここでその設計は考えていたと言えたらどれだけ格好良かったか!!
 決められないことは無理に決める必要は無いのだと思いました。

 またとあるイベントで、主人公とツキが幸せな夢を見ます。
 ただそれが夢ならば要らないとツキは拒絶します。
 その理屈は、醒めない夢なら受け入れられるのかという疑問が生まれます。
 主人公はそれを問いかけました、ツキはずっと醒めないならそれもいいかもねと口では言いました。
 ただわたしはそのイベントを書いていて、ツキなら絶対に受け入れないだろうなと確信しましたが、どうして受け入れないと思うのかがいつまで経ってもわかりませんでした。
 なので語らせないような終わり方にしてまとまりを良くしています。何故ツキならそうするかはまだ悩んでいます、完全にツキが自立してわからないですね……。


・最果て
 タイトルにあり、旅の途中にも否応にも意識せねばならない「最果て」
 目指すと決めたから歩きだし、旅の中、ここが最果てでは無いのかと何度も思い、元々漠然としていた印象はどんどん膨らんだのではないでしょうか。

 冒険の中、プレイヤー自身の「最果て」を見つめる機会も多かったと思います。
 夢、理想、目標、人生設計、末路。
 なんでもいいです、なんでも入るように漠然とした「最果て」という単語を用いました。これが「楽園」とかだと大きく印象が変わっていたと思います。

 また旅の途中や制作の途中、わたしもわたし自身の「最果て」と向き合うことが多かったです。
 ただそれを作中に反映することは絶対に避けました。
 「最果て」を目指すもう一人の主人公であるツキは最果てについて様々に語りますが、そこにわたし個人の感情や思想を取り入れることは避けて、ツキが感じ伝えるだろうことを常に意識しました。

 これはメッセージ性が強くなった結果、エンタテイメントとして面白くなくなるというわたしの過去作から得た教訓です。説教を聞いても楽しくないもんね。


・意思
 最果てとは別に「意思」というキーワードを設定しています――というか気づいたらそうなっていました。
 ゲーム中、皆様にとって意思と言えば、
 「重要なリソース」「強力無比」「不可能を可能にする」
 このような評価になるのではないでしょうか。そして無尽ではない物です。

 入手手段が限られます。どんどん無くなります。耐え難きを耐えた場合、心は折れていくでしょう。

 またプレイヤーの意思も重んじる仕様にしました。
 周回している中、前回とはまるで違った出来事が起きたイベントはありませんでしたか?
 「最果て」では、プレイヤーが選んだ選択肢によって見えている事象の本質が変わるようにしました。
 例えば廃屋から物音がした。
 それが崩れる予兆ならあなたはそれを回避できるでしょう。それが獣の音なら、あなたはそれを狩り取れるでしょう。慎重に入って見れば、何も無くて肩透かしを食らうかも知れません。

 この認識が現実を浸食する仕様は、
・選び取った選択が好ましい結果をもたらす
・上げたスキルレベルが活躍する
・周回時、飽きにくい
 などのメリットに繋がります。
 また好奇心を押し殺し、避けて通ることも確かな選択だと尊重したく、満腹度が回復することも多かったのではないでしょうか。

 逃げることも、諦めることも、それがあなたが選び取ったことであるのなら、その選択、意思が報われますように、そんな祈りが「最果て」には込められています。


・クライマックス
 どこに行きつく物語なのかは初めに考えていました。というか創作者なら皆、終わりを書いて、その次辺りに初めを書くのではないでしょうか。
 (勝手に)伏線となっていたコンパスなんか含め、あれば熱い展開を盛り込んでいます。
 特にエリア5で全てのリソースを吐き切り、最大意思を砕いて――それでも、と、辿り着いた人には最高に気持ち良い仕様にしています。
 意思にコンパス、再起動。初めからある物全て、そしてどうして? と一度は疑問を持つ物。それら全てに役目を与えました。


・エンディング
 ありとあらゆる結末を詰め込みました。
 trueエンドやグランドエンドといったものは作らないように意識し、後味の悪い結末はシステムや不穏な選択肢で警告を促し、相応にポジティブな要素で中和を図りました。

 たとえば、諦めたその末路でもツキは「最果て」の意味を知り、
 たとえば、奪うことに初めて感謝をされ、
 たとえば、どれだけ非道な裏切りも、ツキからしてみれば"初めての約束"を果たしたに過ぎません。


 また初期案としてエンディングごとに五感、嗅覚や感覚などを示唆するようなセリフを入れるつもりでした。
 「温かい」「聞こえる?」「見える?」
 これらがその名残ですね。EDの多様性を重視し七つの結末が生まれたので、一部のEDにのみ残っているだけですが小ネタとして。


・フレーバー
 メインのストーリーやイベントは、面白い事、プレイヤーが望んでいるだろうことを意識して作っています。
 ただわたし自身作品を通してやりたいこと、伝えたいこと、好きなことはもちろん生まれるので、そういった物は基本的にフレーバー辺りに突っ込んでます。

 フレーバーなら説教臭いことや、意味深なことも味わい深くなり、またダメだったとしても無視してくれるだろうという算段のもとです。
 結果は良かったと言い切れるでしょう。世界観や雰囲気を作り出すのに成功し、好きな人は読みふけり、好みじゃない人は避けてプレイできる。この実績は今後も活かしていきたいです。

 「最果て」で出ている単語や価値観は結構パロディ、オマージュが多かったり、あるいはわたし自身の過去作から引っ張り出していることが多いです。
 過去作ではメインでこれを語りました。結果エンターテイメント性を欠いて面白くなくなったようです。
 ただ素材は悪くなかったようで、好きにポエムキメているだけなのに働いていますね。素材を調理して料理になる。この辺りの意識が大切だなと。

 誰かの想いについて。
 誰かの想いは重量があります。加工して少女の~に変化すると重量が無くなります。
 他者の想いを背負う行為はとても重く、自らの想いに負荷などあるはずもなく。
 またフレーバー効果だけでなく、荷物の管理にも駆け引きが生まれます。
 リュックの中身を軽くするためにあらかじめ加工しておくか、必要になった時に適切な加工をするためリュックを圧迫するか。
 この辺り上手くバランスが取れていてお気に入りです。


・その他設定など
 この記事で書いている設定などはあくまで作者が考えている設定です。
 おかしな話ですがプレイヤーのあなたが考えていた設定のほうが優先度が高いとわたしは思っています。
 なので「こうだと思っていたけど違ったんだ」というような事があった場合、納得が行かないのであればあなたの世界を大切にしてあげてください。

 身長。
 主人公、2mぐらい? ツキは1.5m? 結構アバウト。

 荷物。
 大部分はツキが持っている扱いです、主人公激戦しているので。
 なのでそんなに持てません。スキルアップで持てる量が増えるのは、主人公がその分持てるようになったのか、ツキも成長しているかですね。

 導入。
 覚えていますか「Hello world」の文字。
 あなたが「設定」で名前を決めて、全てを「始動」した後に見える文字です。
 この時あなたはあの世界に生まれました、ツキからしてみればバグりました。
 入力した名前とロボットの名前が一致するのはおかしい?
 導入中、ツキは一度もあなたの名前を呼んでいません。旅を始めてからようやく、あなたがこう呼んで欲しいと告げたのかも知れませんね。

 このバグ/意思が全ての要です。
 壊れても立ち上がります、本来時間を掛けねばならないステータスリセットを強引にねじ伏せます、気合で足りない力を補います。
 ツキと共に喜びます、ツキと共に哀しみます。二人で旅をしていきます。
 他のロボットにはこれがありませんでした。このバグが無い末路はあなたもご存知のはずです。

 スキル。
 本当はLv20の状態がデフォルトです、バグってほぼ吹き飛びました……ツキちゃん無謀ですね!!
 なので時間を掛けて修復していたり、経験を積むことで意思のある機械が成長していくイメージどちらでも構いません。
 またこれらを上昇させて、イベントの解決に望んでもツキが片付けるパターンもあります。
 当然ながらツキも冒険で成長しています。なので二人のスキルレベルというのが正しい表現かも知れません。

 心装。
 心に装備! ……武器や防具は重いので、新しい概念生み出しました。字面が格好良くてお気に入りです。
 心構えですね。心構えで技の性能が変わる? 持っている力は使いようです。
 何を想い、何を背負うかで戦い方は変わるはずです。

 残滓。
 あなたの存在はあの世界よりも上位の存在です。
 たとえば「最果て」が空間のある三次元世界ならば、我々の世界は一つ上の四次元世界になります。当然時間も超越できるので、セーブやリセットなど出来ても問題はありません。
 ただゲームオーバー(死)を経験し、初めからやり直した時に全てを初期化されるのは寂しいです。
 最後まで足掻き続けたツキの意思、もう一度頑張って見せようと奮い立ったあなたの意思。わたしはそれを大切にしたかったです。

 なので以前の世界から僅かな意思のかけら、残滓を引き継げます。
 ただ幾度「最果て」に辿り着いてもそれは初めての出来事です。バグったあなたと、それを愛した彼女が掴み取った初めての。

 心装を引き継げるのも説明できます。
 あなたが彼女に教えてあげれば良いのです。こうした想いを抱いて生きていこう、と。


## システム

・画像
 わたしはグラフィック方面はサッパリ苦手です。
 なのでどれだけ効率良く手を抜いて、手を抜いて生まれたリソース分長所に力を入れて勝負できるかしか考えていません。

 各素材は調和を重視。たとえばモンスター画像は基本的に同一作者様の物だけで済ませています。
 メイン画面は中央に必要な情報を固める。
 色合いは優しく、必要な文字色は変えてわかりやすく。
 イベント中の演出も背景やツキを暗くするだけに努めました。面倒だし、苦手だし、自作できない以上限度があるし。
 最低限もう少しエフェクトかけたりしても良かったと思いますが、ゲームブック的な雰囲気を意識していたのでまぁこのままでいいかなと。
 コンパスや希望、意思などの重要なアイコンはフリー素材をお借りして頑張りました。

 メイン画面、左右に黒枠置いたのは正解ですね。
 情報置くのに便利だし、ロボットの視界みたいな感じになって良いです。
 あとサイズの違う背景素材をコントロールするのにも便利でした。縦長だろうが横長だろうが小さく切り出す。

 メニュー画面は自作せざるを得ませんでした。苦しかった……。
 参考にしたのは『NieR:Automata』
 シンプルながらもお洒落なので参考にしたいと思い調べたら、まんまUIに関する開発ブログが出て来たので大いに助かりました。
 また配色もニーアではベージュを採用していて、「最果て」でもまずはとツキの服から適当にスポイトで色取ったら良い感じになったので採用。
 流石に色までパクるのは……と思い、他の色合いを試しましたが、見やすさと目への優しさ、お洒落な具合で原点回帰。パクるパクらない以前に、この思想だとこの色合いしかないです。いやほんとに。

 個人的にはお洒落で気に入っています。
 他の自作する必要のあったものもシンプルで、見やすい物を意識しています。作りやすいし。


・音楽
 音楽も調和を意識しつつ、あとは背景画像見ながら合うBGMをひたすら選び続けました。
 どこまでBGMを変えるかというのはかなり悩んでいて、通常の敵やボスでBGMを変更しなかったのは結果として雰囲気作りに役立ったと思います。

 エンディングによってBGM変えるのも正解だったかなと。
 かなり選択によって展開が変わりますし、BGM変更からそのままエンドロール→エンディングスチルは趣があるなと。

 余談ですがBGM名には結構にやりとする素材が使われていて、
 故郷は「月の記憶」 草原は「月とスキップ」 EDの一つは「作られた記憶」
 あと雪山は「夏が思い出になるころ」です。違和感を覚えさえなかったらわたしの価値ですね。どゃ。


・基本システム
「苦戦したマップを作らなくて良い分、マウスだけで操作できるようにしよう!」
 この選択が後々酷く痛みます。デフォルトのシステム全てキーボードのみ対応なんですよね。
 これをマウスで操作となると、既存の物を全て把握した上で改造するか、新規で新しく作るかの二択。
 アイテム画面なんか、用意したデータを正常に表示するだけで初めの二週間を使いました。

 Yahoo知恵袋に適切過ぎる質問があり、それに答えてくれている人が居なければここで折れていた可能性が非常に高いです。隠れたMVP

 自作したおかげで操作が面倒だったり、情報がわかりにくいところもあり、夢現さんのレビュー点数では一番低評価です。これは自分でも妥協したと思っているので、今後の反省点ですね。
 というか他が全て4点以上なのが異常なんだよなぁ……システムも3.5は超えているし、及第点としては尋常じゃなく上等な部類。
 個人や少人数製作だとどうしても足りない才能や技術があるのですよ。

 ただほぼ自作したため、かなりスキルアップをした自覚があります。
 バグがあればどのように、どこが問題なのか大概推察でき、具体的な対応案もすぐに浮かぶようになって来たのは制作過程を思い返せば明白。
 これは今後、他者のコモンイベントを借りて改造したり、キーボードのオリジナルシステムを作る時にも活きる経験。走り切れさえすれば勝ちよ。


 ウディコン参加断念した記事にも書きましたが、3*5=15エリアは有償同人ゲームでもまだ見ていないボリューム。
 テキスト自体は十万字ほど書いており(実際に見れるテキスト量はそこまででもない)
 ゲーム制作しながらラノベ量の文字数書いたというのも体力付いて来たなと……いやめっちゃ走って⇔倒れてループみたいな持続性の無い作業をしていましたが。

・エリア構成
 一エリア3敵、1ボス。4イベント。
 イベントは本来心装以外は二つからランダムに出る仕様にしようと思っていました。
 純粋に作業量が二倍近くなってしまうのと、ランダムだとバランスが取りづらい。前述した現実浸食システムにより、ランダムのメリットが落ちたのも追い風。
 ~のイベント良かったみたいな感想共有のためにもランダムじゃなくて大丈夫だったかなと。

 ストッパーの役割を持つエリア4からは複数の心装が無ければごりごりリソースが削れる仕様。結構皆様突破していたけれど。
 逆に3までは気軽に往復できるような構造にしたので、4や5のステージはエリア数を減らしたり、イベントの文章量を減らすのもありだったのですが、ルート構築からの攻略の多様性がゲームのキモであると思っていたので歯を食いしばって作成。
 結果モチベーション維持のためイベントではあまり制御せずに好きな物を書いていた記憶があります。宇宙のウサギ、天界の捧げ物、夢幻の楽園。この辺り大好き。
 ただエリア5は好きを押し殺し面白く作ろうと意識せずとも、ここまで来たプレイヤーは結構ノリに付いて来たり、テンションが上がっているので大概の粗は無視してくれたはず。序盤とは違い多い文章量や、覚悟決まり過ぎたツキはむしろプラスになっているように見えました。

 後半好きに書いていたため、イベント攻略にスキルが不要なケースが多い。
 この辺りバランス取りたかったではあるんですが、後半はスキルの自由度が非常に高く、また元々使わないスキルに振るの勿体無いとステータスボーナス付けていたので大差は無かったかなと。
 結構心情的なイベントの乗り越え方が多いし、そこにスキルレベルという数値を求めるのも違うかなと。
 だからといって精神的な面を奥に奥にとおざなりにしても「最果て」感が薄れる。難しい。

 エリア選択時、基本的に左側が楽、右側が難しい選択になっています。
 なので一番左を火力と速度でぶっ飛ばせば大概の人はクリアできる……はず。
 対してエリア1を左、エリア2で真ん中とか選ぶと、早速他のゲームではやらないステータスリセットが求められて苦しい。この辺り個人差が生まれたり、早めにゲーム性を理解出来たり、ルート取りが良くも悪くも難しい。


・ランダム要素
 「最果て」のランダム要素は出て来る敵の種類、ドロップ、命中回避周りと、探索のみになっているはずです(確か)
 元々作者がランダム要素少な目のゲームが好みであるのもあるが、ワンミスで意思が一つ消し飛ぶようなシビアなバランスになっているため、なるべく立てた計画が崩されないようにと意識したのもあります。
 また図鑑で言うボスの一つ下の敵は出現率が抑えられており、ここに対処が難しかったり、運が絡みやすい敵を配置することで資源バランスを取りやすくなりました。
 レアなアイテムを配置するでも良いし、食料などコンスタントに嬉しいアイテムを確定で落とす敵を入れても良い。敵がランダムに出て来るシステムだとどれでもバランスが取りやすいギミックかと。

 探索も乱数や再抽選を表示することで納得感を得ると同時に、バグっている場合の不具合報告にも役立った(役立ってしまった)
 マスクデータにするべきか、開示するべきかは難しい所かも知れませんが、隠すメリットとデメリットは忘れないで行きたいです。
 この辺り「最果て」は上手くやれていたはず。
 全てのエリアの効果や探索可能アイテム、敵情報も常に表示されており行動変化はラスボス以外存在しない。
 果たしてこれで戦闘が面白いのかとじゃんけん応用システムを見て焦ったが、電卓持ち出して、敵のステータスやスキルの倍率、保有リソースを確認し初めて――行ける! と動き始めるのが独特で結構面白かったのではと。望んだ結末に向かって歩き出そう。


・戦闘システム
 「最果て」が特異なゲームに成り得ている一因です。
 敵が平然と一度の行動で主人公の最大EPのうん倍も消し飛ばして来ます。でもゲームとして成り立っています、謎。

 じゃんけんに+アルファ(チャージ、反撃)して突き詰めるとこのような形に落ち着くのではないでしょうか。


・再起動
 死に覚えゲーと決めてから真っ先に取り入れたシステム。
 開発コンセプトは「思わず死にたくなる保険システム」

 雑魚敵、各エリアのボス、ラスボスでそれぞれセリフが変わっていて、特に汎用⇔ラスボスの比較は初めに思いついてからずっと気に入って変わっていないです。

 仕様として気を付けたのは、
・連打しても連打した分だけ揺れはしないもどかしさ
・実は四回ぐらい押したら滑ってそのまま再起動できる手軽さ
・連打の段階が進むたびにゲームオーバーするまでの時間が延びる
・意思の壊し方、ラストでの使い方
・ゲーム内では一切存在について言及されていない
 意思同様、完全に理外の挙動を意識しました。
 もしゲーム説明などで再起動に関して一切情報を得ていなくても
 「早くゲームオーバーならねえかな……」と適当にカチカチしてみれば「ん?」となるのではないでしょうか。

 また戦闘不能になってしまいただでさえ落ち込むだろうから、ツキの悲壮的な言動は一度目の再起動だけで済ませました。
 二度目以降やラストではもはやアレである。流石ツキちゃん、覚悟と信頼の重さが違うぜ。


・戦闘バランス
 リリースしてからバランス調整したものと言えば現状バッテリーの重量容量だけです。たぶん苦情が来ない辺りバランスが取れているのでしょう、クリア報告も多々ありますし。

 バランス調整で意識したのはこの辺り。
・エリアコンセプトを用意する。
・敵一体でエリアコンセプトを満たそうとするのではなく、全体で調整する。これにより最適化されたビルドが一番消耗を少なくする。
・レベルアップ一回での上昇幅を最低限に。
・残滓やスキルレベルによるボーナスは基本的に考慮しない、あればあるだけ余裕になる
・ランダムエンカウントではなく、イベントでも必ず経験値が入ることからエリアごとの経験値上限を定める
・どれだけ強敵でも、なるべく二つほど解法を用意する。
・最悪意思切るか、逃げれば乗り越えられる。
・雑魚は1~2ターンで決着がつくように、ボスでも3~4を目安。

 またテストプレイした段階では、探索で誰かの想いが落ちてました。
 ただ使い放題なうえクリア後に駄々余りした上に、"意思"の価値を貶めたので粛清。現状丁度良いのでないでしょうか。

 ハードモードについて。
 実はわたし自身プレイしてません。
 これぐらいならギリギリ運にもよるけど行けるかな……? という段階を設定し、そこから調整という段階でテストプレイヤーの一人が初週で血反吐はきそうになりながらクリアしているのを画面共有で見て、これでいいなと。
 ルート取りや選択肢も限られて、ただそれでもなおラスボスを無傷で撃破するのを見てこれ以上どうしろと。
 難易度上げても下げても酷いことになるのは目に見えていたので、一人の尊いテストプレイヤーの犠牲でハードモードは完成しました。
 ハードモードによるクリア報告もあるので心装駆使したら色々な方法で最果てに辿り着けると思います。

「わたしの知らないゲームやっている……」


・エネミー
 ボスについては便宜上そう呼んでいるだけで、厳密にはエリアに一体しかいないユニークモンスターという認識。
 意外と強くなかったり、少なくとも見た目はボスらしさが無い敵が多い。
 これは草原が「乗り越えるべき摂理」遺跡が「遺跡の主の末路」といった物をぼんやりとイメージしているため。多分こういった積み重ねが世界観や雰囲気の評価に繋がるのでしょう。

 小ネタ。
 チュートリアルのボスは、初週でも三つほど解法がある。
 宇宙のボスは宇宙の雑魚敵全ての長所と特徴を取り入れた結果あの末路。
 夢幻のアドバイスになっているのかわからないエリア選択時の敵についての文章は、夢幻の雑魚敵とエリア4のボスを見比べてもらえば納得してもらえ――るかな?


・ラスボス
 ミラーマッチは熱い。
 再起動の演出で初めは最果てに辿り着いた時点で元に"戻る"予定だったが、戻るのは今までの覚悟や足跡を否定するようで違うと思ったので、更に"進む"ことに。
 再起動する度に、システムメッセージに書かれている物を手に入れます。たまに見る仕様かな?
 目指したのはラスボスに相応しい強敵とイベント戦の中間ぐらい。余程リソースが余っていたらノーダメージも余裕になったが、演出見て欲しさに確定で一度は殺しに行くはナンセンスだなと。
 ただ見て欲しいから、結構意思頼みの防御が必要になるケースも多い。
 実は最初の段階は回避選んで攻撃スキルを通常→貫通→多段と移動させるのが良い感じに作った。
 次は防御を選んで通常→貫通→多段。毎度悩むのは「最果て」らしいではあるのだが、テンポも大切に。気づいた人は居るのでしょうか。結構火力でゴリ押せてしまうからな……。

 ステータスリセットについて。
 最大意思が0になった人でも、「最果て」らしい戦い方を出来るようにと生まれた仕様。
 またストーリー的には今までのステータスリセットは、主人公が気力で強引に行っていた、あるいはツキがかなり頑張って調整していたため意思を消費していた意味合いが強いです。今までが狂ってた。
 そこでオリジナルのロボット(オリジン)が容易く行っているのを見て、技術的に後続機であるはずの主人公(デフォルト名「ネクスト」)も可能なのだと急遽データを書き換えました。

 再起動の表記変更。
 命を燃やすとはどのようなことか、本当に大切な者はなんだったのか。それらを思い出して奮い立つため表記を変更しました。
 ぶっちゃけストーリーや仕様の都合上、特別感を出したくて変えただけとも言えます。四回目の再起動とか言われてもイマイチ響かないだろうし。

 ツキは既に目の前の存在を敵だと思っていないです。
 戦闘時のセリフが変わっていたり、再起動の時、敵のセリフを平然と無視して主人公に喋りかけて来る。
 既に"戦う"と決めたツキは自分自身や歩んできた過去に向き合い、乗り越えて「最果て」に辿り着くことしか考えていない。
 開発中「どうして日本のコンテンツはディベートしながら殴り合うの?」というtweetを見ました。
 別にわたし自身はどちらも楽しいのですが、「最果て」はどちらでもないに辿り着きました。


・プレイヤーのストレス

 お気づきでしょうが、このゲーム、普通のRPGと違って全然気持ち良くありません。
 レベルアップで全然キャラが育たない(伸び幅が狭い)
 管理するリソースが多くて苦しい。
 敵を倒して得る物より失う物の方が多い。

 プレイしていて楽しくないとプレイヤーは離れてしまいます。
 ただ死に覚えゲーのリソース管理ゲーである以上、ここを変えることは出来ませんでした。
 なのでなるべく操作やシステムでストレスが生まれないように工夫や時間を費やし、ストーリーやテキスト、ツキの存在が前に進んで新しい物を見たいという原動力になるよう願いました。

 結果として人を選ぶことにはなってしまったものの、ゲームとして面白くなったのではないかなと。
 「最果て」を目指すことは苦しいです、彼女はそれを理解していました。
 そんな彼女のために「最果て」を目指すと決めて、苦しみを分かち合いながら新しい出会いや、互いの存在に支えられる……恐らくわたしが意図するより強く没入感を生み出せていると思います。


## SEKIROの影響

 実は製作開始当時、誕生日で「病に伏せて十周年かよ……」と明かりを消した自室でのんびり沈んでました。
 そんな中、友人が誕生日プレゼント! といきなり家に訪れSEKIROを置いてすぐに帰りました。
 プレイし始めるといやぁ……憂鬱なんて吹き飛んで生きてて良かったと日々叫ぶ。
 そしてついに我慢できなくてゲームを作るか! と動き始めたわけですよ。

・慣れるまで非常に苦しい
・慣れると余裕、そしてまた新しい敵やエリアでなんだこの無理ゲーとなる
・敵の行動に対して適切な対応を取るゲーム
・死んでも生き返れる
・主人公が寡黙
・限られたリソースを駆使して戦う

 ――実質SEKIROだな!!




## まとめ

・今回の振り返り
 尋常じゃない反響をいただきました。
 一年後には1000DL行けていたらいいなと思っていたら、1週間経たずして1000DL行けてました。
 四桁という数字はフリゲ界隈では一つのラインで、どれだけ力を入れて制作しても、どれだけ長い期間公開していても四桁乗らない作品は絶対に乗りません。母数の多いネットの海に沈んで基本上がってこないのです。
 また夢現さんで確認出来ますが週間四桁DLは滅多にあるものではありません、名実共にタガが外れていなければ乗れないラインです。
 今まで四桁出して来た作品は夢現さんのコンテスト、フリーゲーム大賞に入賞しています。
 ちなみに2019年で四桁は「最果て」が初なので、十一、十二月がどれだけ荒れようとも上位はほぼ現時点で確約されています。

 これはわたし一人の力では成し得ませんでした。
 公開初動、面白いかもわからないゲームをプレイして頂いた方、様々方法で感想や宣伝をしてくれた方、レビューなどで「最果て」にはそれだけの価値があると、認めてくれた方々が居て初めて得られる物です。


・多くの人に支えられ
 技術、心情面における創作論を発信してくれている方や、苦しいばかりの制作中、僅かながらに進捗を上げたらレスポンスをくれる方々。
 リリースしてから宣伝してくれた人々、面白い、感動した、こんな改善点があるよと指摘してくれた人々。

 使用させて頂いた素材様、追いたいと思わせる背中を見せてくれた作品達。
 わたしは「最果て」を生み出しました。焦がれて走り出しました。
 わたしは……「最果て」は、そんな背中に追いつけたでしょうか?
 誰かの記憶に残るような物を生み出せたでしょうか?

 自分自身の答えは、既に出ています。


・今ままでを振り返り
 今まで創作活動をしてきたわけですが、ようやく自他共に認める当たった作品を生み出せました。
 過去の作品が無意味だったかといえばそんなことはなく。
 順当に学んで来ても、反面教師として学んで来ても必要な経験でした。本作で流用されている単語や価値観も多いですしね。
 わたしに歩んできた道程に、意味はあった。


・これから
 今回の成功からわたしが夢見ていた場所は間違いで無かったと確信しました。
 ついに多くの人に受け入れられる作品が生み出せるようになったのか、偶然当たっただけなのかはわかりません。
 またもう一度成功するまで多くの失敗を重ねるかも知れません。
 すぐに当たっても、「最果て」と比較したり無意味な葛藤に苦しむでしょう。
 現時点でも「最果て」の成功に溺れる感覚よりも強く、今後「最果て」を超えられるのかと怯えています。

 ただそれでもわたしは創作活動を辞めないでしょう。
 「最果て」の向こう側を、ずっとずっと歩き続けます。
スポンサーサイト



雑記 | Comments (2) | Trackbacks (-)

Comment

管理人のみ閲覧できます
編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2019年11月09日(Sat) 11:53
管理人のみ閲覧できます
編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2019年11月27日(Wed) 06:36












非公開コメントにする