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【感想】END ROLL【フリゲ】

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  ――公式サイト


『後悔を、始めよう』

 至極の鬱ゲー。
 始まる前から見えている帰結、救いなどどこにもあるはずもなく。

 ストーリー、キャラ、音楽、雰囲気全てが高品質。
 テキストや演出も巧く、序盤で既に予測できる筋道と約束されたオチをそれでも琴線揺るがすパワー。
 ゲームバランスも戦術を練るか、Lvを上げるゴリ押しかを択れる塩梅。


 以下ネタバレ込みでの感想。




 主人公をイカレ野郎扱いしてくるアナウンスに、ハッピーになれるらしい薬と監禁状態の現状。
 現状など否応にも察してしまって、一日目、物語で言う序章に当たるタバサと共に物語を進めると推測が確定され、作品を通して伝えたいこと、この作品が迎えるだろう結末も予測してしまい、実際九分九厘一致している展開にも拘わらずプレイは止まらず、予見していたクライマックスにひたすら胸を打たれ続けた。


 全てが終わった時、
 僕は「優しさなんて知らなければ良かった」と笑いながら言うんだ。
 僕は「こんなにも温かいものだったんだ」って泣きながら言うんだ。


 主人公であるラッセルに十全の非があるならば、これ以上無い痛快な改善懲悪な物語になっただろう。
 ただ無力であった子供が、どうしようもないほど壊れ狂う理由が揃っており、度々訪れるだろう優しい時間に理不尽な悪意を向けて、咎人同士に利害関係以上の確かな絆があった事などを考えてしまったら、あぁどうしてこうなってしまったんだろうねと嗚咽を堪えながら絞り出す他無い。

 完全に両親や運が悪かった、など断言できるわけもなく(卵や鶏の話になってしまうのだから)
 責任の所在を主人公に置けない、その事が俯瞰者であるプレイヤーを苦しめる興味深い事例だなぁと痛みと共に思い知る。

 なんか鬱ゲーやりたいなぁと積んでいた本作を崩したはずなのに、終盤は全部夢でしたとか、奇跡が起きてもいいからささやかな時間を味わいたいと、忌み嫌うご都合主義を自然に求めてしまった。
 それがあれば作品が壊れてしまうのに、それがあれば我が矜持が綻んでしまうのに。

 そして皮肉なことに罪悪感を覚えるために打った薬が、罪悪感を自覚しなかった序盤に見せてくれた穏やかな時間こそ、ラッセルや、プレイヤーが求めていた時間を与えてくれたはずだった。
 そう、既に歩いて来たのに。そう、成して来たからこそ得られぬはずなのに。
 おまけ部屋はかなり救われた。あくまでゲーム上の例外として設けられており、背徳感少なくほのぼのとした時間を味わえたのだから。


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 最推しはガーデニアでした。
 コーディとギリギリまで悩んだのだけれど、
 アルビノ、ラッセルと同年代、幼い無邪気さと気怠げな両面が見れた事、家庭的な面、終始明るくもラッセルがきっかけで時折壊れる点。
 武器がフライパンでMOTHER2のポーラやマリオRPGのピーチを思い出して、
「効力少な目だけど全体回復あるし、ヒロインっぽく回復や補助系かな?
全ステータス低くてか弱い……いや、ラッセルと系統似ていたから見逃しかねなかったけど、ATKとSPD異常だな。典型的なアタッカーじゃねえか!!」
 とまぁ全部好き。腐った野菜とケーキ流星群乱舞だよ。

 あと個人的な見解だけど、本来のガーデニアはあのやる気のないほうかなと思ってる。
 夢のガーデニアはラッセルの願望や妬みの具現化で明るくなっており、お金持ちの女の子って大体底抜けに世間知らずでお転婆か、金でほとんど手に入って現実に魅力を見出せない無気力系だよね(偏見)
 メタ思考するなら無気力ガーデニアが出る意味がこの推測以外だと根拠が薄くなってしまう。

 コーディは技名に聖女が入ってきたりと、かなり清らかな印象が強い。
 いたずら好きだったり、ラッセルに明確な悪意を見せて来るガーデニアと違って負の側面が見えづらかったという点は良くも悪くもであり、最推しが彼女になった理由でもある。
 年上で、ツンデレ気味、なんだかんだ世話焼きなコーディはすばら。

 男性キャラだとカンテラが一番かな。
 被害者一同の中では珍しい同意殺人であり、咎人同盟。
 ……というのはまぁあとから知った事で、色白、達観系、昼行灯タイプと表層の属性で十分好みだったのでストーリー進めて尚更気に入った。




 ゲームを進めて好きになっていく人達はみんな手をかけたあとで、罪悪感を芽生えさせながらエンディングどれにも救いなんてなくて、ラストはその一番好きな人に今度は殺してもらえるって最高じゃね?
 殺して、一緒に生きて、殺される。頭から最後までぎっしりですよ。

 という事で一生忘れられない作品がまた一つ増えました。
 クリアして一週間。脈絡もなく思い出して、Twitterの感想じゃまだ足りないなと思いこうして久しく筆を執った次第。
 好きなシーンだとか、まだまだ語りたい事はあるのだけれど、そうして話し出すと初めから最後まで余すことなく語る必要が出て来そうなので(今回は)ここまでで我慢。

 毎度毎度神ゲーに対して思ったり言っていますが、作者さん本当にありがとうございます。
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