## 各種記号について
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/ コメント
## イベント
*草原
岩石に一振りの剣が突き刺さっている。傍には、
「力を秘めた聖剣、抜ける者は存在するのだろうか」
と書かれた石板が地面に横たわっている。
>自分で抜く
剣はそう重そうには見えない。この程度ならばと勢い良く引く抜く。
「あっ……」
ツキの思わず漏れた声。
引き抜いた剣は柄だけがすっぽ抜けた形で、その柄はいま手の中で砕けて行った。
残ったのは刀身のみが突き刺さっている剣だった物。
「力を入れ過ぎたね。これは抜けた扱いになるのかな?」
言われて自己診断を走らせるが、若干変化があるようだ。
>ツキに抜かせる
「ん……ん!? 私!?
非力でとても抜けるとは思えないんだけど、まぁ挑戦してみるね」
両手を柄に、足は岩に乗せるが、その姿はとても力仕事に慣れている物では無く。
「ふんぬっ! んんん――っ! やっぱり、私、には……っ!!」
その瞬間だった。剣が羽根のように軽く舞ったかと思えば、
振り上げたそれは陽光を反射して、まるで剣自身も光になったように粒子となって散る。
そのまま散り行く物だと思ったが光の粒子はツキの胸に吸い込まれるように消えた。
「そっか、そういうことだったんだ……」
何かに納得したように頷くツキに問いかける。
「簡単だよ、この剣は傲慢を許さなかった。
自分に自信が無い存在にこそ、力を貸すために今までここに在ったんだ」
力あるものは皆最低限の自負を持つ。
力無き物は剣を求めなかったか、力を欲しても挑戦しようとは思わなかったのだろう。
>二人で抜く
「握れるスペースは限られるし、あなた一人のほうが良いんじゃない?」
道理はそうだが、自分達は二人で旅をしているのだ。二人で得られぬ力など必要無い。
「素敵な理屈。じゃあ一緒にやろうっ」
一人ずつ片腕で、しっかりと柄を握って頷き力を入れる。
予想よりも遥かに軽く剣は動き始め、抜けたと思えば剣は光の粒子となり霧散した。
―まさか、このような抜き方を試みる者達が居るとは―
聞いた事の無い声が聞こえたかと思えば、剣の記憶が流れ込んで来た。
弱者にして目的を持ち、力を求めそのためには如何なる辱めも苦難も受け入れる。
そのような存在を剣は待ちわびていたが遂には現れず、
二人で抜くことを目的とし剣へと手を伸ばした自分達と出会ったと知った。
「ええ、そう。これが私達の力」
優しく微笑む彼女に誓う。それを決して忘れやしないと。
*草原
木々の中、どこか神聖さすら感じさせる泉を見つけた。
二人で様子を見ていると、どこからか斧が舞いつつ泉へ飛び込み水飛沫を上げる。
すると泉が光り輝き、麗しき女性が二つの斧を手に持って水の中から姿を現した。
「あなた達が落としたのは金の斧? それとも銀の斧?」
「……いや、そもそも」
ツキの言葉を遮る。果たして正直に答えることが正しいのだろうか?
>金の斧と答える
「雄弁は金です。語られず、伝わらぬ物になんの価値がありますでしょうか」
差し出された金の斧にツキが触れると、斧は彼女の胸へと吸い込まれ消えた。
「渡すべき物は渡しました。その言葉があなた方の為に成りますよう……」
>銀の斧と答える
「沈黙は銀です。ただ時代や状況によって金と銀の価値は移ろいます」
思うところがあるようでその言葉にツキは何度も激しく頷く。頭が飛んで行きそうだ。
「あなたにはこの言葉の意味がよく理解できるようですね。ならば受け取りなさい」
ひゅんひゅんと泉に飛び込んだ斧と同じように舞って向かって来る斧。
慌ててツキを庇う横、斧は木へと突き刺さり砕けた。
「ちなみに私は金よりも銀が好みです。それでは」
それは斧を投げ渡して良い理由にはならないと、既に去った女性に内心苦情を並べた。
>正直に答える
ツキにこくりと頷いて、先程遮った言葉を促す。
「私達は何も落としていません。どこからともなく斧が飛び込んだだけです」
その言葉を聞いて女性は悲痛な様相で顔を覆う。
「い、今時、泉に斧を落とす人なんているわけないじゃないですか……。
なら誰かが来た時に、自分達で斧を投げ入れないと存在意義がどこにもっ――!」
世知辛い。
「お見苦しいところを見せてしまってすみません。それでは、誠実な人々よ」
そのまま女性は泉に戻っていった。残されたのは居たたまれない空気だけだ。
/エリア1で人と会わせたくなかった
*森
森の中を歩いていると、二つの看板が立てかけている二股の道に出会った。
一つ目の看板には「この先注意!」
二つ目の看板には「どうぞこちらをお通りください」
と書かれていた。二つの看板は劣化具合が異なっているように見える。
「……。
……普通、注意喚起に危機を覚えるものだけど、こうして並べられると逆も怖いね」
確かに。注意喚起は危険に対する善意の現れだ。だがもしもその理屈だと、逆は――
「注意と同じ人が後から立てた看板なのか、注意そのものが嘘なのか、
注意の看板が立てられているのを見て、後から来た人が入れ替えたのか。
看板の真意はともかく、ここからだとどちらの道が正しいのか判断がつかない。
全て結果論。どちらを選ぶかは任せるね、きっとそれが唯一の正しい、だよ」
>注意の道
>お勧めの道
警戒しながら選んだ道を進む。
視覚、聴覚、ツキには嗅覚も注意してもらって、あらゆる情報を得る。
「……なにも、ない?」
油断せずに進めど進めども、異変は訪れず。
「原因が無くなっているか、そもそも看板が罠なのか」
釈然としないが危険が存在しなくて良かったと、前に進み続けるのだった。
*森
前に進んでいると、身の丈ほどの大きな花々が並ぶ地帯に出会った。
いや、花と言うよりは、植物性の袋と言う表現が近しい。
――思い当たる節があり、慌ててツキに警告を促す。
「あと二秒遅かったよ……」
まるで寝袋から顔を出しているように、植物を着ているツキがしょんぼりと呟く。
いや、彼女は今まさに消化されている最中だ。
咄嗟に武器を構えるが、植物の形が独特でどこがツキの体か見極めにくい。
「あーあー、マズいマズいよこれ。
ジュージューいってる、怪我させてもいいから強引に引きずり出して欲しい」
体が溶けるぐらいならば、多少の切り傷などはかなりマシな部類か。
>素早く植物学的見地から解決 知識
インストールされている知識を引きずり出し、どのような構造かを把握する。
素早く、それでいて的確に破壊。ほとんどの被害無くツキを救うことに成功した。
「うん……ありがと」
常に落ち着いている、いや落ち込んでパニックにならなかったツキにどうしたのかと訊ねる。
「んーこれ多分石ぐらいなら反応しないんだよね」
近くにあった石を持ち上げ別の植物へと投げるツキだが、植物には特に変化が生まれなかった。
「あなたが触ってみて」
言われた通りに植物を刺激してみる。
時間か、あるいは刺激を与えているサイズなのか、
餌だと判断した植物がこちらを覆うが難なく引き裂いて脱出する。
「うん、そこまで推測出来ていたんだけど、ちょっと好奇心に負けてね?
どんな風に食べられるのかとか、中の感触が気になって……」
つまり自業自得、と。
「はい、反省しています……。
この地帯は外敵への警戒を薄く出来るって収穫があったから許して欲しいな……?」
意図して上目遣いをしてくるツキに答えを決めあぐねながら先を急ぐのだった。
>植物を破壊する EP
刃物を構えて覚悟を決める。大のために小を切り捨てよう、それが彼女の肌だろうが。
「――ッ! もう少し左、多分スペースが空いている」
身を裂いたのだろう。けれど叫び声を堪えて、感触から伝わる情報を伝えそれを頼りに解体を進める。
ようやく出て来たツキは辛うじて縫わない程度の裂傷を携えていた。
「そんな顔しないでよ。私は指の一、二本は覚悟していたから、
この程度で済んだことはとても安いんだ。迷わないでありがとうね」
まるでその傷が痛いと主張してしまえば取り返しのつかないことのように、彼女は常に気丈だった。
>刺激しないよう引きずり出す 生命力
何も強引な手段に出る必要は無い。余計な刺激が悪い方向へと向かわせるかも知れないのだから。
少しずつ拘束を解き、代わりに自らの身体をねじ込みながらツキを救い出す。
「靴底は……危なかった、あと少ししたら足の裏が溶けていた。治るまでは満足に歩けなかったかも。
靴は修理で、腕は……長い目で見よう、うん」
靴底の他にもスカートは所々溶け落ち、何よりも酷いのは剥き出しの腕だった。
溶ける段階までは行っていないが、酷く爛れたとえ治ったとしても痕が残る可能性は大きい。
「そんな顔しないでよ。私が不注意だったからこうなった、あなたが居ないと死ぬまで溶かされていた。
その事実だけを見つめて欲しい」
脂汗を滲ませながら、あくまで表面は淡々と治療を進めるツキへと返すに相応しい言葉は思いつかず、沈思黙考する他無かった。
*森
「おにく、たべたい」
突如、ツキが虚ろな目をしてそう呟いた。
その微かな呟きに驚いたよう前方の茂みが動き、三つの影が逃げていく。
それをすかさずツキが追ったので、慌ててついて行く。
「がおー!」
ふざけているように影を追い――けれど目は全然ふざけておらず。
「「食べないでぶひー!」」
三つの影はそう叫んだかと思えば、コミカルな様子でそれぞれの家に入って行く。
見間違いでなければ、あれは……二足歩行で走っているブタに見えた。
「がおー!がおー! お肉はどこだー!」
あのブタが食べたいのかと訊ねる。
「うん、どうしようもなく食べたい」
二足歩行だったけど。
「それが?」
喋ってたけど。
「それで? ブタはブタでしょ?」
確かに?
見えている家はそれぞれわら、木材、レンガで出来ているように見える。
>わらの家を吹き飛ばす 重量上げ
大部分がわらと言えど、流石に建築物を吹き飛ばすには骨が折れる。
手頃な倒木を振りかぶり、ドアを押さえていたブタごと吹き飛ばす。
わらが舞い散る中、気絶しているブタに止めを刺した。
>木材の家をこじ開ける 探索
木製の家に近づいてドアを調べる。
ドアノブを回しても鍵が掛かっているようで、
扉は開くことは無く中で怯えたブタの様子が伝わって来るだけだ。
ただそう難しい鍵ではない。開錠と同時に中を制圧し、怯えているブタを狩った。
>レンガの家に挑戦する カリスマ
物理的な破壊は難しいだろうと思いドアを調べると錠前が見当たらない。
ドアの横を見ると何やらパネルのようなものが設置されており、
静脈認証であることが察せられた……なんと生意気な。
「んーこれは今の手持ちじゃ流石に突破できない」
ツキの瞳からは狂気の気配が抜けておらず、別のアプローチを求められている。
ブタは言葉を話していたか。ならばと室内へと呼びかける、食べるつもりはないと。
「嘘ぶひー! そこの女は襲って来る気満々だったぶひー!」
ツキに黙っているように目線で伝え、落ち着くよう巧みに話術を操る。
「そ、そこまで言うのなら信じるぶひー……」
ドアが開いた瞬間、ブタの顔面を強打して意識を奪う。
>諦める
出来る事は無いと、暴走しているツキを宥めてこの場を立ち去ろうとする。
その手管に手こずっていると、閉じたはずの扉が三つとも開く。
「まさか強力な食欲増進ガスに抗うとはぶひ」
先程までのブタの様子とは打って変わり、まるで悪役の様相で三つの影が近寄る。
「罠に掛からなかったのは残念だが、この人数差に勝てるわけ……」
未だツキの正気は取り戻せていない。守り切るためには先手を打つしか無い。
瞬時に攻撃へと移ると、まるで冗談のように一匹のブタが倒れた。
「強過ぎるぶひ!?」
いや、お前達が弱過ぎる。
そのまま三匹を蹂躙し、ツキが望む三つの肉塊を手に入れることが出来た。
/エリア1で対話できる存在と会わせたくなかった
/それ以外は異質に見えて全然採用できたかなと
*洞窟
「――んっ、この小穴、酷いに臭い」
歩いているとツキが臭いに反応して立ち止まる。
嗅覚センサーはついていないため、どのような臭いなのかを訊ねる。
「なんだろう、コウモリのフンが溜まっているような、酸っぱくて胃の奥に刺さる感じ」
コウモリは病原菌が多く食料にはならない。
ただ、もしも他の生物の住処で、あまり危険が無い存在であるのなら狩りたいではあるのだが……。
>探索してみる EP-
「うぃー吐かないように頑張ります……っ!」
布を口元に巻き付けたツキと共に慎重に小穴に潜り、周囲を見渡すが生き物の気配はしない。
ツキの様子を見るが臭いによる気分の悪さだけで、特に有毒なガスが発生しているわけでもなさそうだ。
「ん、そこの大きな岩、そこが臭いの発生源みたい」
少し離れるように告げて岩の調査をする。
特に表面を確かめただけでは特徴を掴めず、拳を突き入れて破片を取り出す。
――突如、酸のような泡だった液体が岩から零れ始める!
「ユーザー、臭い……」
二人で慌てて小穴から逃げ出した後の第一声がそれだった。
液体が降りかかっただけでなく、僅かにだが機体の表面が溶けている。
手に入れたのは岩を砕いた際に手に入れた幾つかの石ころだけだ。
「少し頑丈なだけで特に性質は無いかな……?
比較的に安全に、危険な存在を知ることが出来たのが一番の成果だね」
ツキが未だ布を口元から取らないのが切ない。臭いはしばらく取れないだろう。
>無視する 満腹度+
ツキとあまり離れて行動できない上に、
小穴により区画を区切られている以上酷い臭いを共に調べに行かないといけない。
危険な存在、特にガスなどの反応が遅れる脅威に出会った場合取り返しのつかない結果が生まれかねない。
「英断だと思うよ。前に進も、ね?」
ツキの笑顔に頷きで答え、再び前進を再開した。
*洞窟
暗闇の中進んでいると、少し距離の空いた場所に明るく輝いている場所がある。
こちらの光源を消し、しばらくの間様子を見ていたが動く気配は無い。
「うーん、なんだろう。生き物の可能性は低いかも知れないけど、
それでも異常という事は危険な何かの可能性はあるわけで」
>様子を見に行く
「おっ……?」
闇に生きぬ先駆者でも居たのだろう。僅かにだが炎を揺らしている松明が残っていた。
その隣には未使用の松明が一本残っていて。
「誰もいないよね……? 捨てられたか、それとも」
何にせよ貰っていっても問題は無さそうだ。新品の松明を一本手にあとを去った。
>もう少し観察する 満腹度-
消耗を覚悟で更に様子を見るが、大きな変化はない。
あるとしたら、まるで風に揺られて靡く草木の様に光が時折動くぐらいか。
>立ち去る 満腹度+
薄暗い世界、明るいというのはそれだけで異常性を持つ。
避けるのが無難だと前進を再開した。
/誰だって松明取る
*遺跡
通路から少し開けた広間に出る。
入る時、足元に怪しげなワイヤーがあったため避けながら気をつけるようにとツキにも伝えた。
――プツン。微かだが、何かが切れる音がした。
>駆け抜ける ステルス
ツキを抱き上げて反対側へと駆け抜けた。
左右から獣の息遣いが無数に聞こえたが、それらが肉薄するまえに広間から抜け出すことができた。
……ところで、注意するように伝えたはずだが。
「注意して見逃さないようにしたよ?」
……。
*遺跡
通路を歩いていると何か風切り音が聞こえた。
それも矢などの小さい部類ではなく、もっと質量を持ったものだ。
>ツキを庇う
ツキを抱きしめ、壁際に押し付ける。
背中を重く、それでいて鋭利な感覚が削る。
衝撃が落ち着いて振り返ってみるとどうやらギロチンが背中を削ったようだ。この程度ならばすぐに直るだろうが、もし直撃していればツキは確実に、それでいて自分も無事が怪しかっただろう。
「質量、速度、高さ……うーんマーベラスっ!
知っていますか? 敵を倒す学術は化学と物理だけなんです。文学や歴史じゃこうはいきません」
痛感しているよ。
>ツキと共に回避する
ツキを抱え、風切り音から逃げるように宙を転がる。
直後今まで居た場所を大きなギロチンが往復する。
「う~ん、惜しい……!」
何がだ。
*遺跡
豪華な装飾の施された宝箱が飾られてある。
辺りにめぼしいものは他に無さそうで、一周回ったような開き直りすら感じさせる。
当然このようなものは――
「一体どんなわ……お宝が秘められているんだろう!?」
何か不穏な単語を言い直して宝箱にツキが飛び掛かった。
>代わりに開ける
何が起きるかわからないからと後ろへツキを下がらせて代わりに宝箱を開ける。
すると宝箱がまるで生きているかのように広がって、全身に覆い被さるよう噛みついて来た。
内側には小さな歯のようなもの。トラップか、自分のような疑似生命かはわからないが、そのまま抱きかかえて叩き割る。
「oh! 私なら死んでいたかも知れないけれど、あなたは軽傷で済んだね! 痛かった?びっくりした?」
もしかしてこれはキミが仕掛けた物じゃないのかね。
>破壊する
何が起きるかわからない。けれど素直に開けるよりは遥かに安全だろうと力任せに宝箱を叩き割る。
破片と共に中の品物が零れ落ち、それを回収する時に内側についていただろう鋭利なトゲが目に付く。
「普通に開けてたらこれが刺さっていたみたいですね。いたそっ」
止めに入らなければ死に掛けたことを理解しているのだろうか。
>慌てて止める
危うきは何とやら、だ。
何が起きるかわからない以上、得られる物より失う物の方が大きいかも知れない。
未練がましく後ろ髪を引かれるツキを引きずるようにその場を離れた。
/こうして公開している要因の一つ、遺跡は強い
/部屋に閉じ込められるケースが多かったので、入れ替えても良かったのだが……何故そうしなかったのわたし?
*沼地
「痛っ!」
ツキの悲鳴に振り向くと、彼女の下から小さな蛇が逃げていくのが見えた。
「噛まれちゃった……傷は小さいけど、じくじくする」
恐らく毒を持っていたのだろう。僅かにだが患部が変色を始めている。
口内に傷があれば吸い出せない。機械の身体でも吸い出すことは出来ない。
>解毒草が近くにある 希望がn以上
幸運にも近くに解毒草が存在した。すぐに煎じて使用し事なきを得る。
>万能薬を使う 万能薬消費
荷物から万能薬を取り出して使用する。
しばらくしてから毒は完全に抜けきり、大事は無いことが分かった。
「備えあればなんとやら、だね」
>出血して毒を流す 生命力-
ベストな対応策が存在せず、ツキは刃物を取り出して患部を切り開く。
毒が回らないように血管を押さえ、しばらくそうしているとある程度毒は抜けきったようだ。
「少しふらふらする……」
酷い貧血に陥っているだろう。ツキを安全な場所まで移動し、体調が戻るまで休息に努めた。
*沼地
酷い雨だ。
土砂降りで沼地は溢れ、泥は跳ね続け、ツキは体温を奪われて消耗して行く。
「これ以上は無理かも……」
それでも進みながら、何か屋根代わりになる物を探していたが見つかる前にツキが限界らしい。
この場で対応しなければならないが。
>徐々に雨が止む 希望
少しずつ雨が止み始め、雲に切れ間が見え始める。
「これなら、行けそう……!」
ただ今まで消耗した分は取り戻さなくてはならない。
ツキに楽な態勢を整えさせて休息に入るのだった。
>簡易的な屋根を作る 布2動物の脂肪1消費
布を広げ、動物の脂肪を塗りたくり水を弾くようにする。
「ありがとう、だいぶマシになったよ」
まだまだ腰を据えて休める環境では無いだろうに、ツキは気丈にもそう微笑む。
本当は憂鬱で、心が挫けてもおかしくはないが未だその表情に陰り無く、
これからもきっと、大丈夫に違いないと信じることが出来た。
>枯れ木を抉る EP-
枝葉はまともじゃないが、本体自体は大きく丈夫そうな樹が存在する。
出力を上げ、強引に樹を掘り進み、ツキが入れる十分なスペースを作り出す。
木屑や虫をある程度掻きだしてから彼女を避難させ、身を落ち着かせていることを確認し頷く。
「ごめんね、ありがと」
相応にこのボディーへと負担を掛けて、
今もなお雨の中佇むこちらへとツキは寂しそうにそう笑った。
>ただ耐える 生命力-
ただ早く雨が終わってくれ。
ただ長く、ツキの体力が持ってくれと願いながら、身動きの取れなくなった状態で願う。
悠久にも感じられる時を得てから、ようやく見えた青空の下をツキを背負い歩きだす。
外敵に警戒しつつ、少しでも彼女を早く休ませたいと。
/桜に負けた心装イベント
*海岸
「離れ小島だね。何かこの辺りには無い物が生息しているかも」
確かに海岸沿いは物資に乏しい。資源集めのためにも足を伸ばしてみるのはありだが、
素材集めの観点でも、安全管理の面でもツキと距離を離したくはない。
>彼女を抱えて泳ぐ 行動術
「わかった。荷物だけは濡れないように気をつけるね」
重い荷物は目立たない場所に置いておき、
軽い荷物や重要な物を頭上へと掲げるツキを背負って泳ぎ切る。
「服はびしょ濡れ……だけどお宝の山だね!」
離れ小島にあった素材を回収したあと、元の場所でゆっくりと服を乾かすのだった。
>簡易的なイカダを作る 木材、布、EP消費
重量の都合、自分は共に乗れないが、ツキさえ乗せてしまえば浅い海底を歩き牽引すればよい。
二人でイカダを作り、離れ小島に辿り着くことに成功した。
>諦める
「そうだね。イカダを作るにしてもリターンが材料以上にならないと損だし」
先を急ぐことにした。
*海岸
「おっきな貝……」
手のひらよりも少し大きそうな貝が浜辺に転がっていた。
>中身はある 満腹度+
「お、まだ中身があるみたい。
これだけ大きいと小さい動物の肉ぐらいボリュームあって美味しいだろうなぁ……」
それも貝と来たら独特の旨味も備えているだろう。次の食事が楽しみに違いない。
>中身はない 希望+
「残念、空かー」
あまり期待はしていなかったツキが貝殻を捨てようとするのを止める。
「ん? 耳に当てる? なんだかわからないけど、やってみるね」
耳に貝殻を当てて、何かに気づいたように目を閉じるツキ。
「聞こえる。海の音とは違う、波の音が……不思議、貝殻が鳴らしているの?」
血潮の音がよく聞こえるようになるだけだ。いや、それとも筋肉の動く音だっただろうか。
「なんにせよ体の音なんだね。海の音じゃなくて、私の音。
それが貝殻から聞こえて来るなんて、うん、ロマンチック」
儚くも幸せそうな笑みを浮かべるツキの胸には確かな充足感が満ちていただろう。
/エモいやんけ!(自画自賛
*海岸
「これは、荒れるね。高い波が何よりも怖いかな」
天候が狂い始め、津波の危機感が自分達を襲う。
>天気が安定する 希望
「ん、空が」
降り始めると思っていた雨は訪れず、再び太陽が見え始める。
天気の移り変わりは激しいが、それは悪い方向ではないのだろう。
>体を固定する サバイバル
避難できるような場所が見当たらず、苦肉の策として自分達の体をロープで結ぶ。
雨と共に高い波が襲って来るが、あらかじめ体を固定してたため流されてしまうことは避けることが出来た。
「ありがとう、溺れないで済んだよ」
どうにかツキの呼吸だけを確保していると予想よりは早く天気は安定した。
普通なら漂流物で色々と危険な策だったが、何も無い地域に救われた一面を感じたのだった。
>対応できない
避難できるような場所も、荒れる天気に対応する策も用意できずに、ただツキが溺れてしまわないよう高い波へと抗う。
少しでも高い場所へと、少しでも海から遠くへと、それだけを意識していると次第に天候が落ち着き始めた。
「本格的に津波とか来なくて良かった……」
確かにそうだ。自身がどれだけの機能を備えていようとも、天才に抗うには限度があると痛感する。
/心装イベント用に書いたけど心装が思いつかなかったためボツ。
/他のイベントで実装しても良かったけど消耗するだけだったので……。
*
:人馴れした様子の猫が目の前に現れる。
幾度が鳴いたあと、まるで誘うかのようにこちらへと振り向きつつ距離を少しずつ離す。
「着いて行ったらとても大きな猫が居て「お前達が昼ご飯だニャー!」という展開もあるんですよね」
否定出来ないのは悲しきかな。
/昼ご飯だニャー!
## トーク
*海岸
なんだろう、これ。黒くて、ちょっともわもわしてる感じの。
――わっ! 白くて、ベタベタするのが付いた!
……接着剤とかに使えたりしないかな。
/ナマコのつもりで書いてたけど、ナマコってもわもわ……?
*海岸
干上がってカペカペの海藻。
一度海に潜って集めたら当分の間は食事に困らなくて済むのかな。
……しばらくの間、海藻を食べ続けるのはちょっと嫌かも。
/海藻食べ続ける生活でしたね……。
*海岸
真水の入手がどうなるかと思ったけど、ヤシの木が結構生えているから渇く心配は無かったや。
/ツキは投げる物
*
食事は唯一五感を刺激する総合芸術……。
……あれ、そう言われたらやる気が出てきたかも??
*
特殊な素材が多いのはこの地域の長所だね。
取り扱いが難しい物が多いけど、簡単な物の方が少ないから気にしない。
*
水源を見つけたら、水筒を一杯にしておかないと……。
*
少し曇って来たね。
これぐらいの方が歩きやすくて嬉しいな。
*
何を捨てて、何を無理してでも持っていくのか。しっかり見定めないと。
*
クンクン……お宝が近くに眠っている予感!
*
好奇心はネコを殺すと言うけれど、私も死ぬ自信はあるよ。
そもそも最果てだって似たような理屈だしね。
*
知らないことを知るのは幸せだから。
本とか端末とか情報の塊で大好きだな。
*
趣味は物作りと物作りと……物作りです!
*
うへへ……次は何を作ろうかなー
あれもいいし、これもいいし。
*
食べられるか怪しい物に出会う度、あなたに毒味機能も付けておくべきだったと後悔するよ。
実際に旅してみないとわからない事が多いね。
*
たまに頭を数式が埋め尽くす。
――ううっ、創りたい!
*
ね、次は何を作ろうか。何までなら作っていい!?
*
機械類を見つけても、大概が鉄の素材にしかならない。
設備が無いから仕方ないけど、もどかしいよ……。
*
ああっ……。
こんな精密機器を分解して、部品として使うしかないなんて切ないよぉ――!
/やべえなこの女。
/確かやり過ぎだと思い実装しなかったけど、別に入れても問題無かった感。
*
1を送ったら1が返って来る。
正しいんだけど物足りないとも思うようにもなってきたかな。
*
製作に使った木材の端材は歯磨きに使えるんだよ。
*
高度に発展した化学は魔法に等しい。
*
夢、友情、希望、勇気。
それらを掴むのに、リソースが必要なんだよ。
*
ただ踏みしめる一歩一歩に集中するの。
*
無理は禁物。
常に余力を持ってから進もうね。
*
美味しい物を食べた時、その幸せを共有できないのは寂しいかな。
*
ふんふん~♪
天気良し、体調良し。
頑張って進んでいきましょー
*
困った時はあなたかロマンかカフェインが何とかしてくれる!
*
腕や目は片方でもあれば何とかなる。
耳はあなたが居る。嗅覚も別の感覚でカバーできる。
最果てに辿り着く為なら、幾らでも犠牲にするよ。あなたは絶対に、喪いたくはないけれど。
/初期案ではツキの身体に損傷(欠損)が発生するのもありだと思ってました。
/様々な問題で当然ボツに。故に天界のイベントが際立ったとも思います。
*
わたしはあなたが居ないと生きてはいけない。
でもあなたはどうなのかな。どうしても知りたいけれど、怖くて堪らない。不思議な、気分。
*
小さな歯車、それが全てを狂わせる。他にどこも悪くなど無いのに。
それが歯車にロマンを感じる根源なのかもね。
*
信頼って、裏切られてもいいことだと思うんだ。
だからもしあなたが……あなたが、ね? そう信じているよ。
/実装すると件のEDの意味合いが変わったのでボツ。
*
一歩、二歩、三歩。
少しずつだけど、近づいているよね。
*
正しいことは、痛くて苦しいに満ちている。
――だから、最果てを目指すこの旅も、きっと間違いじゃない。
*
残された者の痛み……。
万が一、私があなたを犠牲にして生き延びたらきっと心も体も堪えられない。
――でも、あなたが生き残ったのだとしたら。その時は、私の道具としてではなく自由に、生きて欲しいな。
*
戦えるようになりたい、一人でも最果てを目指せるようになりたい。
度々そう思う。でもそれは、強さなのかな。
誰の助けも要らない、誰かを守る必要も、誰に守られる必要も無い。独りで生きていけるは、強さなのかな。それは。
/長過ぎてもボツになるんですよ……。
*
怖い夢を見て起きた時、あなたが夢すら見れないことを思い出して。
……少しだけ、まだ、私は強がれる。
/エリア4の休息イベントに採用されたのでトークはボツ。
*
澄み渡る青空。
最果てまで続いているかな。
*
死なない程度の波瀾万丈に塗れて進みたい。
*
わっ……!
ううん、大丈夫。虫がこっちに向かって飛んで来たからびっくりしちゃったんだ。
*
獣の足跡……大きいね。気をつけよう。
*
頑張れば私でもカエルを捕まえられるから、お肉にはあんまり困らないね。
小さいから数を集めるのちょっと大変だけど、狩った獲物の肉を余らせるのも心苦しいし悪くは無いのかな。
*
爬虫類……食べられるのか基準がよくわからないんだよね。
表面のぬめりが人を殺しかねない致死性を持っていることもあるし。
でもイモリの黒焼きとかも言うから、カリカリになるまで焼けばなんでもいけたり……??
/沼地のイベントに採用されたのでry
*
ちょっと足を海に浸けて涼んだりしちゃ……ダメ?
## フレーバー
悲劇が起こらなければ物語は始まらなかった。
そうして人々は悲劇を望む。
紛い物では癒えぬ物もある。
ねぇ知ってる?
少女にとって衣装はお洒落ではない。
可愛らしいデザインもどれだけ巧く作れるかに尽きる。
信頼は口にしたほうが互いのためだろう。
難しいことはわからない私がわかっているのだから、きっと単純か、とても大切なことなのだろう。
私はそう笑いながら言った。
その時、あなたに表情があったのなら、一体どんな顔をしていたのだろう。
彼女の笑顔を見ると胸が温かくなる。
この幸せはプログラムされたものだと彼女は言う。
ただ、それの、何がいけないと言うのだろうか?
舞い散る木の葉が傷口に入り込む。
寡黙な機械は背中で語る。
それに守られる少女は声無き言葉を読み取れているはずだ。きっと。
正しさなんて要らない。
何もかもが嘘なら、安寧なんて要らない。
私はどうしたらいい?
なら殺せる。
かくして雄弁なる愚者は死に絶えた。
安心せよ。どうせ終わる時は一瞬なのだから。
その手にもはや~は無く。
その心にもはや~も無かった。
草木は萌えり、あとは実るのみ。
なら希望とは何なのか。
それが英雄のやることですか!?
私はそう思っていますけど?
/シャドバ
/それが人のやることですか!?
/皆がやっていることじゃないですか。とかのツキのドライな返し。
理由?なんとなく。
生きるなんてそんなものだ。
自立する歯車
あぁもう狂った歯車のせいで劇は滅茶苦茶だ。予定とは違う人形劇を繰り広げやがる。
……でも、普段より盛況だからこれはこれで良いのかも知れない。
ツキアンブレラ
ツキお手製の傘。
最低限の重さで、芯は細く強靭に研ぎ澄まされているため刃にもなる。
現状、最も活躍しているのは自衛や天候対策ではなく薪割りである。
/薪割りならマチェットか主人公でも良いし、日除け雨除けなら外套があるのでボツ。
/ツキアンブレラの語感は凄く好き。
/結構単語やパーツで書き溜めておいて、必要になった時にこれとこれ合成して完成!というパターンが多かった記憶。
## 再起動
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「技がどうした」
「相性、戦力差がなんだ」
「最後に、立っていればいいのだろう?」
「そうして私達は生きて来た。これからも生きていく――!」
/適したボスが居なかったね。
*せっと
「誓うよ、君を守り切ると」
「信じるよ、あなたが守り切ってくれると」
「独りに、しないで」
「独りにはさせない」
*主人公
「終わりじゃない、終わらせなどしない」
「闘争を続けよう」
「この程度で立ち止まってはいられない」
「成すべきことを、まだ果たしていない」
「未だ足りぬか。そうだろう、そうだろうとも」
「なるほど。これが死というものか」
「彼女の涙は見たくない」
「安息など、要らない」
「死ねない理由が、一つだけある」
*ツキ
「私の英雄」
「私の意思は、ここに在る」
「その最果てにあなたが居ないのなら」
「あなたは私に哀しみと、憎しみと、そして愛情を教えてくれたの」
「あなたが生きてくれるなら、私はっ 私は――!」
「立ちなさい(ユーザー)! 最果ては目の前よ!」
/(ユーザー)=主人公名
/ウディタで主人公名は『\cdb[0:0:0]』こうなるのですが、開発中のテキストで入力するのは変換に突っ込んでいようがだるいので、大概ユーザーかデフォルト名としてのネクストを割り当ててました。
/ネクストという名前自体はセーブデータが空っぽの状態で前回の設定を反映するとゲーム中でも確認できます。見た感じ結構バレてたかな?
/AC4系列が好きなのもあり暫定で付けていた名前なのですが、初期構想だった結末がそのままだったので、結局ネクストという名前が変わることはありませんでした。
## コメント
おつかれさまでした。
これで「最果て」に関してわたしが送れる物は全てだと思います。
開発中はもちろん、リリース後も何かに使えないかなとか、単純に読み物として見返していた未実装テキストなので、最果てユーザーにも需要があるかなと思い公開。
公開するにあたって修正しましたが、初期段階ではツキが敬語だった名残がありました。もうちょっとおしとやかなキャラを目指そうとしていたんですね、懐かしい。
普段ついったーで好きに呟いているので、これ以上あとがき的な物も思いつかないのでこの辺で。
「あなた」にとってこの記事が有意義であったことを願っています。